クリーブランド・クリフス、米2州で製鉄能力を一時停止

Cleveland-Cliffs

需要低迷と価格下落で、ペンシルベニア州とイリノイ州の製鉄所を無期限休止へ

米鉄鋼・鉱業大手のクリーブランド・クリフス(Cleveland-Cliffs)は、ペンシルベニア州とイリノイ州の計3製鉄所で操業を一時停止し、数百人規模のレイオフを実施すると発表した。影響を受けるのは、ペンシルベニア州スティールトンの電炉(EAF)製鋼所、同州コンショホッケンの下工程施設、およびイリノイ州リバーデールの転炉(BOF)設備である。

非中核事業の製品に対する需要・価格の低迷が要因

スティールトンの電炉は年間30万トン規模で、鉄道用レールなどの特殊製品を生産。リバーデールのBOFは年産70万トンの能力を持つ。コンショホッケンでは、鋼板の焼入れ・焼戻し加工が行われていた。

クリフスは、「**これらの製品群(レール、特殊厚板、高炭素鋼板)は当社の中核事業から外れており、価格と需要が共に不十分であるため、一時的かつ無期限の停止を決定した」と述べている。

2024年は7億ドルの赤字、自動車向け減速と輸入鋼材が重荷に

同社は2024年通期で7億ドルの損失を計上。CEOのロウレンソ・ゴンカルベス氏は、北米自動車生産の落ち込みと、海外からの鋼材輸入急増を主要な要因に挙げていた。

クリフスは、2025年第1四半期決算を5月7日に発表予定であり、今回の操業停止が業績に与える影響が注目されている。

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