米国リグ稼働数、1月以来の低水準に

Baker Hughes

エネルギー価格低迷と貿易摩擦が投資意欲を抑制

エネルギーサービス会社ベーカーヒューズ(NASDAQ: BKR)は5月10日、米国の石油・天然ガス掘削リグの稼働数が578基となり、1月以来の最低水準に落ち込んだと発表した。前週比で6基減、前年同期比では4%減少している。

特に石油リグは5基減の474基と、今年最少を記録。天然ガスリグは101基で横ばいだった。メキシコ湾では3基が停止し、2021年9月以来の最低である9基に落ち込んだ。

パーミアン盆地やニューメキシコでも大幅減

米国最大のシェール産油地帯であるパーミアン盆地(テキサス西部〜ニューメキシコ東部)では2基が停止し、285基と2021年12月以来の低水準となった。また、ニューメキシコ州では4基減の96基で、2022年4月以来の水準に落ち込んでいる。

DJ-ナイオブララ盆地(コロラド、ワイオミングなど)でも1基が削減され、2021年1月以来の5基に。リグ稼働数は2024年に約5%、2023年には20%減少しており、企業は生産拡大よりも債務削減と株主還元を優先している。

ガス価格の回復と生産予測には明るさも

米エネルギー情報局(EIA)は、2025年の原油生産が日量1,340万バレルに増加すると予測。ただし、これは4月時点の見通しより下方修正された。背景には、米中貿易摩擦による世界経済と石油需要の鈍化リスクがある。

一方、天然ガス価格は2025年に88%上昇すると予想されており、これを受けて掘削活動が活発化する可能性がある。EIAは2025年のガス生産量を日量1,049億立方フィートと予測し、過去最高水準となる見通しだ。

テキサス州では掘削許可申請件数が4年ぶりの低水準に落ち込んでおり、エネルギー企業の投資マインドは慎重姿勢を強めている。

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