![]() |
鉄鋼 |
休止中のフタ・チェンストホヴァが再稼働、欧州全体は減産傾向
2025年1〜4月のポーランドの粗鋼生産量は248万トンで、前年同期比3.9%増加した。世界鉄鋼協会(WorldSteel)の最新統計によると、ポーランドは世界第20位の鉄鋼生産国に位置付けられている。
4月単月の生産量は63.3万トンで、前年同月比5.7%増。2024年に長期停止していた製鉄所「フタ・チェンストホヴァ(Huta Częstochowa)」が、2025年2月3日よりフル稼働を再開したことが、生産回復の大きな要因となっている。
一方、欧州連合(EU)全体では鉄鋼生産が減少傾向にあり、4月は前年比2.6%減の1,110万トン、1〜4月累計でも前年比2.4%減の4,350万トンにとどまった。
ポーランドの鉄鋼生産は、2022年以降続いていた減少傾向からの脱却が進行中であり、過去5年間の実績は以下の通り:
- 2020年:786万トン
- 2021年:845万トン
- 2022年:741万トン
- 2023年:643万トン
- 2024年:711万トン(前年比+10.1%)
ポーランドには現在、主要な製鉄所が6カ所存在し、各年産能力は以下の通り:
- アルセロールミッタル・ワルシャワ(75万トン)
- セルサ・フタ・オストロヴィエツ(90万トン)
- フタ・チェンストホヴァ(84万トン)
- CMCザヴィエルチェ(170万トン)
- アルセロールミッタル・ドンブロヴァ・グルニチャ(500万トン)
- フェロスタル・ラベディ・グリヴィツェ(50万トン)
国内設備の再稼働を背景に、ポーランドの鉄鋼業界は回復基調に転じており、今後のEU市場との相関関係や需要動向が注目される。
Tags
STEEL