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銅 |
アジアの生産増も欧米需要の伸び悩みでギャップ拡大
国際銅研究会(ICSG)によると、2025年1月の世界精製銅市場は1万9,000トンの供給不足となった。精製銅の生産量は238万トン、消費量は240万トンに達し、需要が供給を上回った。前年同月の2万4,000トンの不足よりは改善したものの、依然として需給ギャップが継続している。
南米とアジアで生産増加も、地域別格差が拡大
銅鉱山の生産量は前年同月比で2.1%増。ペルーやコンゴ民主共和国(DRC)、アジアでの生産拡大が寄与したが、北米とチリの減産が全体を相殺した。精製銅の生産はわずか1%増にとどまり、アジア(中国除く)では新設製錬所の稼働により10%の増加を記録。しかし、チリでは14%の減少、中国とDRCでは横ばいに留まった。
中国が需要牽引、欧米・日本の消費は伸び悩み
世界の精製銅消費は0.75%増となり、その大半は中国の見かけ需要(1%増)に起因する。一方、EU、日本、米国では依然として産業活動の回復が鈍く、需要増加は0.5%にとどまった。地域間での銅需要の回復ペースに大きな差が出ており、供給不足は今後も継続する可能性が高い。
今後の焦点は、中国以外の国々での需要回復と、供給能力の拡大がいかに進むかにかかっている。
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