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ニッケル |
米国インフレ期待上昇とECB利下げ観測が市場に影響、ニッケル価格は複雑なマクロ環境下で推移
4月29日、国内精錬ニッケル(SMM 1#)の現物プレミアムが下落し、上海先物取引所(SHFE)ニッケル価格も日中取引で軟調推移しました。
マクロ要因:米国インフレ期待と欧州中央銀行の利下げ観測
米国の1年先インフレ期待値(確定値)は先月の5.0%から今月は6.5%へ急上昇し、1980年以来の高水準となりました。
直近のコアCPIインフレ予測値は2.941%で、コアPCEインフレ率を下回るものの、依然としてFRBの長期目標を上回っています。
欧州中央銀行(ECB)では、物価上昇鈍化を受けて6月の利下げへの自信が高まっていますが、大幅な利下げは見込まれていません。
先週のIMF・世界銀行春季総会では、米国による関税措置がユーロ圏および世界経済に悪影響を及ぼすリスクについても議論されました。一方で、インフレへの直接的な影響は現時点では限定的とされています。
現物市場動向
- SMM 1#精錬ニッケル価格:124,350~126,850元/トン(平均125,600元/トン)、前営業日比+550元。
- 金川1号ニッケルの主流プレミアム:1,900~2,300元/トン(平均2,100元/トン)、前日比-150元。
- ロシア産ニッケルのプレミアム:0~300元/トン(平均150元)、前日比変動なし。
先物市場動向
SHFE主力ニッケル先物(NI2506)は夜間取引で0.16%上昇し124,890元/トンに達しましたが、
日中はマクロ経済要因による重しとなり、11:30時点では124,130元/トン(前日終値比▲約0.4%)へと下落しました。
また、米中間の関税問題、インドネシアの政策動向、ドル流動性引き締めなど複数のマクロ要因が交錯しており、
ニッケル市場ではコストサポートと供給過剰圧力が併存する状況となっています。
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