![]() |
Zhejiang Hailiang |
ハイリサイクル社会実現の鍵握る中国の二次銅消費構造
浙江銅業(Zhejiang Hailiang)は、4月24日に江蘇省無錫市で開催された「CCIE 2025 SMM銅産業会議」において、中国における二次銅(リサイクル銅)の消費構造とその将来像について講演した。
二次銅は世界の銅供給の約4割を占め、リサイクル率は90%以上と極めて高い。浙江銅業の張軍兵・二次銅事業部長は、「中国は世界の二次銅消費の35%を担う。寧波や鷹潭などの地域が輸入スクラップの解体・精錬の拠点として機能している」と強調した。
グローバルな二次銅産業の再編と米国の輸出動向
米国は世界最大の銅スクラップ輸出国だが、2023年以降、米中貿易摩擦や国内の固体廃棄物輸入禁止政策の影響で、中国向け輸出は減少傾向にある。代わってメキシコやカナダが輸出先として浮上し、「北米クローズドループ」が形成されつつある。
東南アジアでは、マレーシアやタイが欧米からの銅スクラップの中継・加工拠点として台頭しており、非鉄金属フリーゾーン政策が輸入促進に寄与している。
二次銅が支える次世代需要と政策支援
2024年のデータによると、電力(45%)、建設(12%)、自動車(15%)、家電(12%)、電子(10%)の各産業が二次銅の主な需要先だ。特に電気自動車(EV)1台には最大120kgの銅が使われ、内燃機関車の約4倍となる。さらに、DC急速充電器1基には60kgの銅が必要とされ、充電インフラの拡大が銅需要を押し上げている。
中国政府は2025年までに電池リサイクルにおける二次銅回収率を30%から40%へ引き上げる方針で、年間324万トンのCO₂削減が見込まれる。また、VAT還付や法人税優遇を含む「銅産業高品質発展実施方案(2025~2027年)」も導入され、国内資源開発とグリーン精錬技術の推進が加速している。
中国の二次銅企業は今後、「鉱石+リサイクル+海外資源」の三軸供給体制を構築し、AI・水素エネルギー・データセンターといった新興分野の需要開拓と、東南アジアや中東を含む地域市場展開を両輪とする成長戦略を進める見通しだ。
Tags
NONFE