米国HRC輸入動向:高騰する国内価格に対抗し輸入回帰の兆し

US hot-rolled coil


米国の熱延鋼板(HRC)市場は、国内価格の高騰と長期リードタイムに直面し、輸入依存を再検討しています。2025年3月に発動された米国の鉄鋼輸入関税は当初25%、6月には50%に引き上げられ、世界からの鋼材供給を事実上遮断しました。その結果、HRC輸入量は2024年比で42%減少し、国内市場の供給逼迫が続いています。


米国内HRC市場の逼迫と価格上昇

米国内の製鉄所は契約供給を優先し、スポット市場向けのHRC供給は減少しています。2026年1月の稼働率は76%と前年同期比でわずかに上昇しましたが、スポット供給への割当は減少傾向です。HRCスポット価格は1月末に1短トンあたり964.25ドルまで上昇し、国内のリードタイムも6.4週間に延びました。この状況により、国内購入者は短期的な調達手段として輸入の可能性を再評価しています。


輸入HRCの再検討と課題

米国買い手は徐々に輸入市場に目を向けています。東南アジアやトルコからの1月の輸入オファーは国内価格より最大100ドル安価でした。しかし、納期は数か月先に設定され、迅速な調達は困難です。それでも、国内メーカーの長期リードタイムにより、輸入HRCは価格競争力と在庫安定性の両面で再び魅力的な選択肢となっています。今後、米国HRC輸入動向は、価格抑制と供給安定化の両立に重要な指標となるでしょう。


金属フォーカス 編集部コメント

米国HRC市場の輸入回帰は、国内鉄鋼メーカーに価格戦略の見直し圧力をかけます。海外供給を組み合わせた在庫管理が、2026年以降の安定供給に直結する可能性が高く、投資家やメーカーは長期的な供給リスクを慎重に評価すべきです。

コメントを投稿