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| Metal Market |
近年、中国を中心に金属市場の熱狂が世界規模で広がっています。上海・広州の先物取引所では、金や銀、ニッケルやリチウムなど幅広い金属で取引量が急増しています。特に小口取引向けの契約が個人投資家に人気を集め、過去に例のない投機的資金の流入が市場を揺さぶっています。
中国市場の異常流動性とその波及
上海先物取引所は1月、複数の金属契約で過去最高の取引量を記録しました。例えば、錫(スズ)の取引量は単日で100万トンを超え、世界年間消費量の倍以上に達しました。こうした金属市場の熱狂は個人投資家の群衆心理によるもので、価格上昇がさらなる買いを呼ぶ「モメンタム効果」を生み出しています。加えて、工業用途のヘッジャーの空売りが解消されることで、価格変動はさらに激化しています。
一方、米国のCME市場でも小口向け銅契約や金のマイクロ契約が急成長しています。特に銅マイクロ契約は、わずか1か月で取引量がほぼ3倍に膨張しました。オプション市場でも同様の現象が見られ、コールオプション購入が投機的上昇を加速させる「デルタヘッジ」のフィードバックループを生んでいます。
投機熱が示す世界的リスクと展望
今回の金属市場の熱狂は、金を含む貴金属にも影響を与えています。中央銀行の保有量によって守られる金でさえ、理論上は市場規模の拡大次第で価格が大幅に上昇する可能性があります。ニッケルや錫のような工業金属は、さらに供給側への影響が懸念され、中国当局は取引規制を強化して現物市場への波及を防ごうとしています。
今回の現象は、ドル安懸念やエネルギー転換、IoT関連需要といったマクロテーマと、SNSを通じた個人投資家の群衆行動が交錯した結果です。今後も投機的資金の流入により、世界の金属市場は高いボラティリティにさらされる見込みです。
金属フォーカス 編集部コメント
中国発の個人投資家マネーが世界金属市場に波及し、価格形成や供給チェーンに影響を与えています。短期的なボラティリティは高まりますが、エネルギー転換やインフラ需要といった長期的テーマが市場を支えるでしょう。投資家とメーカーは、規制動向と流動性の変化に注視する必要があります。


