Hyundai EAFミル建設計画、ルイジアナ州で進行中:米国内製鋼戦略の新展開

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米国ルイジアナ州で、韓国Hyundai Steelが運営する電気炉(EAF)鋼鉄製造施設「Hyundai EAFミル」の建設計画が着実に進行しています。Hyundai Steelは、同社の自動車組立拠点への安定供給を目的に、年間270万トン規模のEAFミルを米国内に設置する計画を2025年3月に発表しました。

州政府はアセンション郡で1,700エーカーの用地を9,100万ドルで取得し、58億ドル規模のHyundai EAFミル建設を後押ししています。しかし、正式稼働は2030年頃と見込まれており、段階的な建設と設備導入が進められます。Hyundai SteelはイタリアのDanieli社から6億5,000万ドル相当の製鋼・直接還元鉄(DRI)設備を購入し、鉄鉱石を高品質な鋼熱間スラブに変換する4つの生産ユニットを導入します。


EAF技術と米国内戦略の意義

Hyundai EAFミルは、二基のEAF炉、二基の厚板キャスター、二基のスラブ再加熱炉、さらにDRIプラントを含む高度な生産ラインを備えます。これにより、Hyundai Motorsの米国内組立工場向けに付加価値の高い鋼材を安定供給できる体制が整います。加えて、EAF技術はスクラップ鋼の再利用能力を有しており、将来的な環境負荷低減や循環型鋼材利用の拡張も期待されます。

一方で、このプロジェクトはBusiness Facilities誌による2025年プラチナ賞を受賞するなど、地域経済への波及効果も大きく注目されています。ルイジアナ州知事Jeff Landry氏は、「州の労働力、ビジネス環境、成長へのコミットメントが企業投資を後押しする」と述べ、Hyundai EAFミルが米国内製鋼産業の競争力向上に寄与することを強調しました。

Hyundai EAFミルの完成により、米国内自動車製造の鋼材供給チェーンが一段と強化されます。北米市場におけるHyundaiの戦略的自給体制確立は、将来的に他の自動車メーカーや素材産業にも影響を与える可能性があります。


金属フォーカス 編集部コメント

Hyundai EAFミルは米国内製鋼体制の高度化を示す重要案件です。長期的には地域経済への貢献と、循環型鋼材利用による環境配慮の両立が期待されます。自動車業界のサプライチェーン最適化戦略にも影響を与えるでしょう。


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