ニッケル価格上昇:インドネシア政策と地政学リスクが押し上げる市場動向

Nickel Prices


2026年初頭、ニッケル価格が15か月ぶりの高値に達し、市場関係者の注目を集めています。

ロンドン金属取引所(LME)では1月6日に18,045ドル/トンを記録し、前日比7%上昇しました。

上海先物取引所(SHFE)でも8%の上限値幅に達しており、短期間での急騰が顕著です。


市場心理と銅価格の影響

ニッケル価格上昇の背景には、銅価格の高騰が大きく影響しています。

銅は米国によるベネズエラ大統領拘束を受け、世界の精錬銅供給の逼迫懸念から1万3,000ドル/トンを突破しました。

この地政学的リスクが投資家心理に影響し、ニッケルを含む金属市場全体の上昇圧力を高めています。

一方で、実需による価格上昇は限定的ですが、ニッケル価格の上昇は下流製品、特にステンレス鋼のコストを押し上げています。


ステンレス鋼市場への波及効果

中国の主要ステンレス鋼メーカーは、2025年12月23日と2026年1月5日に相次いで出荷価格を引き上げました。

304系ステンレス鋼冷延コイルの価格は、1月7日に13,400~13,500元/トンに上昇しました。

これは、ニッケル価格の高騰が製造コストに直結しているためで、エンドユーザーの買い控えと価格上昇期待が需要を支えています。


インドネシア政策と供給リスク

市場はインドネシアの政策動向に注目しています。

2026年のニッケル鉱石生産計画(RKAB)は、2025年の約3億7,900万トンから2億5,000万トンに削減される可能性があります。

また、輸出基準価格(HPE)や参照価格(HR)に関する新規規制が市場で議論を呼び、供給制約と価格上昇圧力の要因となっています。

こうした政策リスクが、ニッケル価格の今後の上振れ余地を示唆しています。


金属フォーカス 編集部コメント

ニッケル価格は、政策変更や地政学リスクが直接的に影響する典型例です。

2026年も安定基調が予想されますが、インドネシアの生産削減や輸出規制が現実化すれば、ステンレス鋼や電池原料市場への波及も懸念されます。


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