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| EU HRC |
欧州北部のHRC(熱延鋼板)先物価格は、物理市場の静けさをよそにCMEで堅調に推移しています。本日取引では、二四半期物の価格が€676/t(約$790/t)で成立し、追加売買の関心も高まっています。特に四半期スプレッドは-€33/tとなり、供給制約を背景に価格上昇を見込む動きが鮮明です。
先物価格の堅調な背景と市場要因
CMEにおける北欧EU HRC先物の強さは、複数の要因で支えられています。まず、中国大連商品取引所でのコークス炭先物の上昇が欧州市場に心理的な影響を与えました。また、インドとトルコのHRC輸入枠が第一四半期でほぼ枠いっぱいとなったことも、供給制約による価格押し上げ要因です。さらに、EU域内の炭素境界調整メカニズム(CBAM)の導入により、輸入鋼材のリスクとリターンの構造が変化し、先物市場における価格形成に影響しています。
一方、現物市場では、第四四半期に通関を通過した在庫や本四半期の国内供給が一定量存在し、国内価格の急激な上昇は抑制されています。インド産ポジショナル貨物の提供価格はCBAM込みで€620/tとなり、物理市場の需給バランスに一定の冷却効果をもたらしています。
今後の市場動向と投資家への示唆
今後の北欧EU HRC先物市場は、供給制約と中国炭市場動向により価格の上振れリスクを抱えています。三月物は四半期末比で€25/tの割引で提示され、年内の第四四半期契約は米国HRC先物とほぼ均衡する水準にあります。この水準は、グローバル投資家や鋼材メーカーにとって、価格ヘッジ戦略や調達計画の見直しの契機となる可能性があります。
金属フォーカス 編集部コメント
北欧EU HRC先物の堅調な動きは、域内供給制約と国際コークス炭市場の影響が複合した結果です。今後はCBAM導入の進展や輸入制限の変化により、欧州鋼材市場全体の価格構造に長期的な波及効果が生じる可能性があります。投資家やメーカーは、先物市場の動向を注視しながら柔軟な調達戦略を検討する必要があります。


