銅価格、供給不安と関税問題で12,000ドル突破

Copper Prices


銅価格が初めてトン当たり12,000ドルを超え、2009年以来最大の年次上昇を記録しています。この価格上昇は、鉱山の稼働停止や貿易の混乱が影響しており、需要の減少にも関わらず、供給不安と関税問題が主要因となっています。


銅価格の急騰要因とその背景

2024年1月、銅価格はロンドン金属取引所(LME)で一時的に2%上昇し、12,159.50ドルに達しました。これは今年に入ってからの価格上昇をさらに加速させ、2023年には価格が約40%も上昇しました。特に、米国が銅に関税を課す可能性が強く、これが価格上昇の主要因となっています。米国への輸入量の増加が、他国の製造業者に供給争奪戦を引き起こし、価格を押し上げました。

一方で、中国の需要減少にもかかわらず、銅価格は依然として上昇しています。中国は世界の銅消費量の約半分を占めていますが、需要の減少が価格に対して大きな影響を与えていません。むしろ、米国行きの銅の供給が確保されるとの予測により、トレーダーたちは価格がさらに上昇するとの見込みを立てています。


供給面の課題と将来予測

鉱山での供給不足が続く中、世界各国が電力網の整備や再生可能エネルギーへの投資を拡大しており、これが銅需要をさらに押し上げています。特に、データセンターやAI(人工知能)のインフラ向けの需要も急増しており、銅の需要はますます増加しています。

SiTration社のCEOであるブレンダン・スミス氏は、今回の銅価格の上昇は、短期的な鉱山の停止と長期的な供給課題が絡み合っていることを指摘しています。鉱山の閉鎖や関税のリスクが影響しているものの、現在の市場では供給不足には至っていないとのことです。しかし、米国への輸出が依然として強く、価格が上昇し続ける状況が続く可能性があります。

また、北米、南米、オーストラリアなどの主要鉱山地域では、現地での精錬能力が限られており、そのため外部の精錬所に依存せざるを得ない状況が続いています。これにより、市場は地政学的リスクにさらされることになります。


長期的な銅市場の見通し

長期的には、銅の需要はエネルギー転換やAIインフラの発展に伴って大幅に増加すると予測されています。BloombergNEFの「トランジションメタル展望2025」によれば、銅需要は2045年までに3倍になる可能性があり、2026年には市場が供給不足に陥るリスクが高まっています。特に、チリ、インドネシア、ペルーでの鉱山の閉鎖や許認可の遅れ、新規プロジェクトの不足が市場に大きな圧力をかけ、2050年までに供給不足が1,900万トンに達する可能性があると指摘されています。


金属フォーカス 編集部コメント

銅の価格上昇は、今後のエネルギー転換やAIインフラの発展において重要な影響を与えるでしょう。特に、供給不足が進行する中で、銅の採掘とリサイクル投資の強化が求められます。もし現在の価格上昇が持続すれば、企業はこれに適応し、効率的な供給戦略を構築する必要があります。


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