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| Australian lithium exports |
オーストラリアのリチウム積出量は、スパドメン価格の上昇を背景に11月に10月比で増加し、今年2番目の月間出荷量に達した可能性があります。主要港からの総リチウム出荷量は約402,300トンと推定され、9月の記録的水準には届かないものの、10月の低調な出荷を回復しました。中国は依然としてオーストラリア産スパドメンの最大消費国です。
主要港と鉱山の動向
バンバリー港とポート・ヘッドランド港では、それぞれ約155,700トン、122,000トンのリチウムが積み込まれ、前月比21%および2.5%の増加を記録しました。オーストラリアの主要リチウム生産企業であるPLS、Mineral Resources(MinRes)、Covalent Lithium、Greenbushes鉱山(IGO運営、天齐リチウムおよび米国Albemarleが関与)は、これらの港を経由してスパドメンを輸出しています。
ジェラルトン港近郊のLiontown ResourcesのKathleen Valleyプロジェクトからは、11月に44,500トン以上が出荷されました。また、エスペランス港では約61,400トンを積み込み、前月比87%増と大幅な伸びを示しました。MinResのMount Marion鉱山(中国のGanfengが50%出資)はエスペランス港から輸出を行っています。フリーマントル港では18,600トン以上が出荷されました。
価格動向と今後の展望
最新のKplerデータによると、12月3日時点でオーストラリア主要港からは少なくとも271,400トンのリチウム積出が見込まれており、11月初旬に報告された低水準を踏まえると、12月も堅調な積出が予想されます。Argusによる6%グレードリチウムコンセントレート(スパドメン)の評価価格は、11月4日の中国向けCIFで920~980ドル/トンから、12月2日には1,170~1,235ドル/トンへ上昇しました。中国の塩湖系製錬所は2026年第1四半期向け原料確保に積極的であり、価格上昇傾向にもかかわらずスパドメン価格の最終決定を急いでいません。
金属フォーカス 編集部コメント
オーストラリアのリチウム積出増加は、グローバルな電池原料市場に影響を及ぼします。主要生産企業の港湾戦略や中国向け需給動向が、短期的な価格変動のカギとなるでしょう。今後もスパドメン価格と出荷量の動向を注視することが重要です。


