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CMOC |
重要金属供給戦略の一環として年間計画の25%以上を早期に達成
中国の多角的金属生産大手洛陽欒川モリブデン(CMOC)は、2025年第1四半期におけるタングステンとニオブの生産増を報告した。これは同社の年間生産目標の早期達成と、重要金属供給網での地位強化戦略に沿った動きとされる。
2025年1〜3月期、CMOCはタングステン金属換算で1,993トンを生産。前年同期比3.8%増で、通年目標(6,500〜7,500トン)の27〜31%をすでに達成している。
ニオブ生産も拡大、需要に対応
同期間のフェロニオブ生産量は2,616トンで、前年比4.4%増。こちらも年間目標(9,500〜10,500トン)の25〜28%に相当する進捗を見せている。
CMOCは、中国では中国五鉱集団(China Minmetals)に次ぐ第2位のタングステン精鉱生産者であり、同時に高張力鋼や超合金に不可欠なニオブの主要供給企業でもある。
多角化ポートフォリオで戦略的地位を強化
CMOCの事業はタングステン・ニオブにとどまらず、モリブデン、銅、コバルト、リン酸肥料など多岐にわたる。これらはすべて工業用金属や脱炭素社会に向けたクリーンエネルギー技術に不可欠な素材であり、同社は世界的な重要金属市場で戦略的地位を確立している。
金属フォーカス編集部コメント
タングステンとニオブは、超硬工具・特殊合金・次世代エネルギー関連機器に不可欠な戦略金属であり、近年の供給安全保障の文脈でその重要性が一段と高まっている。CMOCの生産拡大は、中国が重要金属の国際供給網においてリーダーシップを維持・強化する姿勢の表れであり、今後、同様の生産加速が他の鉱種や企業にも波及する可能性がある。一方で、地政学的リスクや輸出規制強化の動きも注視が必要である。
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