ピードモントとセイオナ、統合新社名「エレヴラ・リチウム」で再出発

Piedmont Lithium

北米リチウム供給の中核企業を目指し、2025年にはスポジュメン出荷を計画

北米のリチウム生産企業ピードモント・リチウム(Piedmont Lithium)とセイオナ・マイニング(Sayona Mining)は、両社の合併後の新社名を「エレヴラ・リチウム(Elevra Lithium)」とすることを発表した。これにより、統合企業としてバッテリー素材市場におけるプレゼンス強化とブランド統一を図る。

新会社の取締役会は両社からそれぞれ4名ずつが指名され、ガバナンスの均衡を維持する体制となる。ピードモントのドーン・ヒクトン氏が会長に、セイオナのルーカス・ダウ氏がCEO兼マネージングディレクターに就任予定。

合併の完了は2025年半ばを予定しており、株主の承認や規制当局の認可、通常のクロージング条件を経て進行する。

スポジュメン出荷計画、北米リチウム需要に対応

ピードモントは2025年にスポジュメン精鉱を11万3,000〜13万トン出荷する見通しを示しており、EV(電気自動車)や蓄電池用途のリチウム需要増加への対応を進める。

また「Elevra」ブランドの下で、統合会社はプロジェクト開発、販売戦略、資金調達の一体化を進め、北米での統合型リチウム供給企業としての地位確立を目指す。

金属フォーカス編集部コメント

北米のリチウム供給体制の整備は、中国やオーストラリア主導の市場構造からの脱却を狙う重要な動きだ。エレヴラ・リチウムの誕生は、資源の地域分散とEVサプライチェーンの強靱化という観点から注目される。将来的にはカソード・セル生産との連携も期待され、統合企業の機動力が問われる局面となるだろう。

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