カスカディアとグラナイト・クリークが合併 ユーコンの銅・金探鉱新会社が誕生

Cascadia Minerals

CarmacksとStikineテレーン資産を統合、資源拡大と株主価値創出へ

カナダのジュニア鉱山会社Cascadia MineralsGranite Creek Copperは、ユーコン準州における銅・金プロジェクトの統合を目的とした合併契約を発表した。合併後は、新たな銅・金探鉱・開発会社として活動を開始する。

合併条件によると、CascadiaがGranite Creekの発行済株式100%を取得し、Granite Creekの株主は1株あたり0.25株のCascadia株を受け取る(1株あたり約0.04カナダドルに相当)。この条件は、6月6日までのGranite Creek株の5日間出来高加重平均価格に対し48%のプレミアムとなる。

合併後の新会社は、Granite Creekが保有するCarmacksプロジェクト(上級段階)と、CascadiaのStikine Terrane地域における複数の探鉱資産を合わせ持つことになる。

Cascadiaのグラハム・ダウンズCEOは「Carmacksはインフラアクセスが良好な場所に位置する重要資産であり、周辺探鉱のポテンシャルも高い。合併は双方の株主にとって有益だ」とコメント。

Carmacksプロジェクトは、6億5,100万ポンド・金30.2万オンスの測定+概測資源を有し、2023年の予備的経済性評価(PEA)では税引後NPVが2億3,050万ドル、内部収益率(IRR)が29%と試算されている。

新会社は2025年秋のボーリングプログラムで資源拡大を狙い、過去にCRM21-011孔で得られた105.52m(銅0.96%、金0.18g/t、銀4.06g/t)の高品位交差に注目している。

また、Granite Creekの株主は、Cascadiaが保有するCatchプロパティ(最大1,065g/tの高品位金鉱徴候と斑岩型銅金鉱化を有する)にも間接的に関与できるようになる。

本取引は、戦略的投資家マイケル・ジェンティーレ氏の支援を受けた225万カナダドルの私募増資によって下支えされ、合併完了後の現金残高は250万カナダドルとなる見込み。

Granite Creekのティム・ジョンストンCEOは「Cascadiaの経験豊富な探鉱チームにCarmacksを託すことは、株主価値を最大化する最適な選択だ」と語った。

金属フォーカス編集部コメント

脱炭素社会の進展とインフラ再構築ニーズにより、銅や金を中心とする基礎金属資源の争奪は今後も激化が予想される。今回の合併は、ジュニア企業同士の資源統合により、上流の探鉱から開発フェーズへの移行を加速させる好例と言える。ただし、資金調達力や環境許認可リスク、長期的な開発コストの上昇には引き続き注意が必要だ。ユーコンという比較的政治的リスクが低い地域において、探鉱主導の成長モデルがどこまで通用するか、今後の進捗が注目される。

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