コバルト・ブルー、豪Halls Creekで銅・亜鉛の早期生産へ

Cobalt Blue

豪州での新スコーピングスタディ完了 — オネディンとサンディエゴ鉱床を段階開発

ASX上場のCobalt Blue社は、西オーストラリア州Halls Creekプロジェクトに関するスコーピングスタディ(予備評価)を完了し、銅と亜鉛の早期生産を目指す段階的開発計画を公表した。

開発はオネディン(Onedin)鉱床とサンディエゴ(Sandiego)鉱床を対象とし、順次進められる予定。オネディン鉱床では露天掘りによって鉱石を採掘し、ヒープリーチング—溶媒抽出—電解採取により銅メタルを回収。また、亜鉛は硫酸亜鉛一水和物として結晶化回収される。

一方、サンディエゴ鉱床は坑内採掘方式を採用し、選鉱場で銅および亜鉛の濃縮鉱を分離生産する設計だ。

また、太陽光発電+蓄電池による電源網(PVソーラーグリッド)を構築し、炭素排出削減とエネルギー自立性の向上を図る。

コバルト・ブルー社は同プロジェクトについて、「銅、亜鉛、銀といった主要金属に分散的にアクセスできる戦略的な優位性を持つ」と強調。価格変動に対する耐性や資本最適化、さらには市場環境の変化に応じた機動的対応が可能になるという。

本計画は初期投資が比較的少なく、早期キャッシュフロー創出が見込まれる構成で、同社の主力であるKwinanaコバルト精製プロジェクトを補完する形となる。

「これは未開発資源に対する現代的なアプローチだ」と、CEOアンドリュー・トン氏は述べており、「銅と亜鉛は今後10年で高需要が予想される重要金属。中規模の投資で十分に収益性のあるプロジェクトであり、株主価値の早期実現が期待できる」と語った。

今後は、資本支出の段階化や設備コストの削減などを含めた最適化作業を継続する予定だ。

金属フォーカス編集部コメント

ニッケル・コバルトに続く分散化戦略の一環として、銅・亜鉛の開発に着手する動きは、今後のEVインフラやエネルギー転換に対応したリスク分散の好例といえる。豪州の豊富な鉱床資源に加え、脱炭素と電化ニーズに対応するプロジェクト設計が好感される可能性が高い。

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