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Ceibo |
低品位鉱石からの回収率向上に道、リオ・ティントやグレンコアも注目の技術革新
2025年6月3日、豪BHPグループが出資するチリのスタートアップ企業Ceibo(セイボ)は、同国北部の鉱山で独自のリーチング技術を用いて初の銅カソードを生産・納品したと発表しました。実証試験はCompañía Minera San Gerónimo(CMSG)社の鉱山で行われたもので、硫化鉱を対象にしたものです。
この技術は、これまで処理が困難とされてきた低品位・難処理の硫化鉱からの銅回収を可能にするもので、Jetti Resourcesやリオ・ティントのNuton事業と並ぶ次世代リーチング技術の一つとして注目されています。新規大型鉱床の発見・開発が困難を極める中、既存鉱山の延命・増産策としてリーチング技術は業界の喫緊の課題解決策となっています。
Ceiboの技術は、既存の溶出設備を活用しつつ電気化学的反応により短期間で高回収率を実現する点が特長です。同社はすでにグレンコア(Glencore)のチリ・ロマス・バヤス鉱山でも同様のプロセス実証を進めています。
Ceiboには、BHP傘下のベンチャー投資部門BHP VenturesとEnergy Impact Partnersが2023年に出資を行っており、米国の有力VCであるKhosla Venturesも出資陣に名を連ねています。
金属フォーカス編集部コメント
硫化鉱からのリーチングは技術的ハードルが高く、長年“未開拓の資源”とされてきました。Ceiboの成功は、膨大な量の低品位鉱石を資源に転換する突破口となる可能性があります。これは、資源ナショナリズムが進む中、既存鉱山の価値を再定義し、世界の銅供給網に安定性をもたらす重要技術といえるでしょう。
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