ArcelorMittal、フランス・ダンケルクで脱炭素化へ12億ユーロ超を投資──EAF導入で再始動

ArcelorMittal

世界大手鉄鋼メーカーのArcelorMittal(アルセロールミッタル)は、フランスにおける製鉄事業の脱炭素化に向け、政府との連携のもと巨額投資を進める方針を再確認した。

欧州鉄鋼業界の危機を背景に一時保留されていた脱炭素プロジェクトだが、2025年3月に欧州委員会が発表した「鉄鋼・金属行動計画(Steel and Metal Action Plan)」により、カーボンボーダー調整メカニズム(CBAM)や防衛策の導入が期待され、今夏以降に再始動する見通しとなった。

同社は、約12億ユーロ(約2,000億円)を投じてダンケルク製鉄所に初の電炉(EAF:Electric Arc Furnace)を導入する予定。また、フランス国内で以下の投資計画を進行中だ。
  • フォス=シュル=メール製鉄所への5,300万ユーロ投資
  • ダンケルクへの2億5,400万ユーロ追加投資
  • 2025年末完成予定のマルディック電磁鋼板新工場(5億ユーロ規模)

欧州での鉄鋼持続性確保に向けた再構築へ

これらの投資は、ArcelorMittalが欧州域内での競争力あるグリーンスチール生産を継続する意志を示すもの。特にフランス国内の製鉄拠点は、水素還元や電炉による低炭素化技術導入の中核拠点として位置づけられており、今後のグリーン移行とEU規制の変化に対応した生産体制が整備される見込みだ。

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