クリーブランド・クリフス、2025年1Qの鋼材販売5%増も赤字転落 非中核資産の停止でコスト削減へ

Cleveland-Cliffs

自動車業界向け供給強化とトランプ政権の生産刺激策が後押し

米国の鉄鋼大手クリーブランド・クリフス(Cleveland-Cliffs)は2025年第1四半期に鋼材販売量を前年同期比5%増の410万ショートトンに拡大した。同社の最新決算報告によれば、売上構成の41%は熱延製品で占められた。

ただし、平均販売価格は前年同期の1,175ドルから980ドルに下落。その結果、当期純損失(調整後)は4億5,600万ドルとなった。

非効率な資産停止とコスト最適化策を加速

同社のCEOであるロレンコ・ゴンサルヴェス氏は、業績悪化の要因として「非中核資産の非効率性」と「2024年末からの指数価格低迷による納品遅延」を挙げ、現在は固定費削減と効率化に向けた構造改革を推進していると述べた。

3~5月にかけて、米国内の6拠点を完全または部分的に停止。これにより、年3億ドル以上のコスト削減効果が見込まれる。なお、平鋼製品の生産量には影響は出ない見通しである。

また、ウエストバージニア州ヴィントンの変圧器工場への投資を打ち切る方針も発表した。

トランプ政権の自動車生産支援策でOEM向け契約を増強

同社は、トランプ政権による米国内の自動車生産刺激策により、OEM(完成車メーカー)との契約量をすでに拡大したことも明らかにしている。

2025年通期では、1ショートトンあたり約50ドルのコスト低減を見込んでおり、設備投資額は7億2,500万ドル(従来予想:7億ドル)となる見込み。

ただし、イリノイ州リバーデール、およびペンシルベニア州コンショホッケンとスティルトンの3拠点を6月末で無期限停止すると発表。これは特定用途製品の需要と価格低迷に対応したやむを得ない判断であると説明している。

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