![]() |
SQM |
アフリカの電池サプライチェーン構築に前進、戦略鉱物でSQMが南米以外に展開
ナミビア競争委員会(NaCC)は、チリのリチウム大手SQM(Sociedad Química y Minera de Chile)とナミビア拠点のアンドラダ・マイニング(Andrada Mining)によるリチウム・リッジ(Lithium Ridge)プロジェクトへの戦略的提携を正式に承認した。
この規制承認により、SQMは最大4,000万ドルを拠出し、探鉱活動と最終的なFS(確定的実現可能性調査)の完了を資金支援することで、プロジェクトの最大50%の権益を取得する道が開かれた。
EV・BESS市場を狙うリチウム・リッジ、ナミビアの地政学的価値高まる
ナミビア西部のエロンゴ地域に位置するリチウム・リッジは、リチウム・スズ・タンタルといった重要金属を含むペグマタイト鉱床を有する。これらはEV(電気自動車)や定置型電池(BESS)、先端電子機器に不可欠な素材であり、本プロジェクトはアフリカの戦略鉱物資産として注目されている。
今回の提携により、SQMは南米以外の高品位鉱床にアクセスでき、アンドラダは世界的な技術力と資金力を獲得。両社は連携して、ナミビアを電池原材料の安定供給国として世界市場に位置づける方針だ。
資源供給の多様化でナミビアに脚光、地域経済効果にも期待
地政学的不確実性の高まりを背景に、主要国や企業は資源供給先の多様化を模索しており、ナミビアの戦略的価値が再評価されている。SQMの本投資は、ナミビアの信頼できる規制制度と未開発の鉱物ポテンシャルへの信頼の現れでもある。
アンドラダにとっても、長期戦略の正当性が裏付けられた格好となり、今後の鉱業開発の加速と地域経済への波及効果が期待される。
Tags
RARE