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Energy Fuels |
米国のウランおよびレアアース生産大手Energy Fuels(エナジー・フューエルズ)社は2025年4月16日、同社のユタ州ホワイトメサ製錬所において、中国の新たな輸出規制対象であるレアアース酸化物7種のうち6種の商業規模での生産に必要な技術を確立したと発表した。現在、同社はネオジム・プラセオジム(NdPr)酸化物の商業生産能力を持つが、今回の技術開発により、最大で6種の酸化物を国内生産できる体制が整う見通しだ。
同社は、米国政府による支援や適切な市場環境が整えば、1年以内に溶媒抽出(SX)設備を増設し、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)、ルテチウム(Lu)、イットリウム(Y)などの酸化物を製造できると見込んでいる。こうした生産能力は、2025年4月15日にトランプ大統領が署名した「重要鉱物に関する国家安全保障強化のための大統領令」とも呼応しており、米国の重要鉱物サプライチェーン強化の一助となる可能性がある。
エナジー・フューエルズ社のホワイトメサ製錬所は、既に年間1,000トンのNdPr酸化物を製造できる体制を持ち、さらに「重希土類」成分を含む濃縮物も生産している。主原料となるモナザイト鉱は、米国や同盟国にある重鉱物砂鉱山の副産物として比較的安価に供給され、軽・中・重レアアースをバランスよく含むという利点がある。
マーク・チャーマーズCEOは、「我々は米国政府が国内レアアース生産を支援する姿勢を明確に示すよう期待している。エナジー・フューエルズはすでにウラン・バナジウム酸化物の商業生産実績があり、レアアース分離処理技術も確立済みだ」と述べ、政府による支援の重要性を強調した。
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