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ILZSG |
供給減少で市場バランス悪化、需要は安定
国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)によると、2024年の世界精錬亜鉛市場は、
62,000トンの赤字に転落しました。
前年には31万トンの余剰を記録しており、大きな転換点となります。
供給量は減少した一方で、世界的な亜鉛需要はほぼ横ばいを維持しました。
この供給不足が、市場の赤字化を引き起こしました。
鉱山生産量、主要地域で大幅減少
2024年の世界亜鉛鉱山生産量は、前年同期比2.8%減の1,189万トンに縮小しました。
カナダで31.5%、中国で1.5%、ペルーではアンタミナ鉱山の生産減で13.5%の減少となりました。
また、アイルランドやポーランドを中心に、欧州の亜鉛採掘も9.7%落ち込みました。
一方で、ボリビア、メキシコ、コンゴ民主共和国では増産が見られました。
特に、イバンホー・マインズが6月に稼働開始したキプシ鉱山が一因となっています。
精錬亜鉛の生産・消費動向
精錬亜鉛の生産量は、前年比2.6%減の1,355万トンとなりました。
中国、日本、韓国、カナダでの生産削減と、鉱石供給不足が背景です。
フランス、インド、ドイツでは増産が見られ、特にノルデンハム製錬所は3月に操業を再開しました。
世界の精錬亜鉛消費量は、ブラジル、インド、韓国、メキシコ、トルコ、ベトナムで増加し、全体では0.1%増加しました。
一方、中国、欧州、米国では消費が減少しました。
特に中国の亜鉛精鉱輸入量は13.1%減の196万トンに縮小しています。
2024年12月単月では、消費が生産を上回り、41,100トンの月間赤字を記録しました。
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