![]() |
HRC |
中国・ベトナム製が対象、HRC価格に下支え期待
【ニューデリー=4月21日】インド財務省は4月21日、合金鋼および非合金鋼のフラット製品(鋼板)に対し、200日間にわたり12%のセーフガード(緊急輸入制限)関税を課すと官報で発表した。対象はホットロールコイル(HRC)、冷延鋼板、金属コーティング鋼板、カラー鋼板など幅広い製品群で、HSコード7208、7209、7210、7211、7212、7225、7226に該当する。
輸入急増による国内産業の深刻な損害を根拠に
今回の措置は、2024年12月19日に始まったセーフガード調査に基づくもの。2025年3月18日にはインド商務省傘下の貿易救済総局(DGTR)が200日間の12%関税導入を勧告していた。
鋼材の安価輸入がインド国内需要を圧迫し、鋼材価格を数年来の低水準に押し下げたことが背景にある。
政府、国内産業の保護と価格下支えを狙う
クマラスワーミー鉄鋼相は「この措置は国内メーカーを保護し、公平な競争環境を促進する」とX(旧Twitter)で表明。今回の関税措置は、中国とベトナムからの輸入鋼材が主な対象となる。
ただし、特定価格以上の製品は課税対象外とされ、貿易歪曲の回避を図っている。免除される価格基準は以下の通り:
- HRC系:CIF 675ドル/トン以上
- HRミルプレート:695ドル/トン以上
- CR鋼板:824ドル/トン以上
- 金属被覆鋼板:861ドル/トン以上
- カラー鋼板:964ドル/トン以上
HRC価格は底打ち、回復局面へ
プラッツ(S&Pグローバル)によると、4月21日時点のムンバイ工場渡しHRC(IS2062、2.5–10mm厚)は税抜でルピー51,300/トン(約601ドル)。これは2024年9月26日のルピー46,500/トンから顕著な回復を示す。
同製品は2020年11月18日のルピー45,750/トン以来の安値圏を経て、今回の関税導入により、短期的な価格下支えが見込まれる。
Tags
STEEL