米Hertha Metals、高純度鉄の商用プラント建設に着工:磁石用鉄の脱中国依存を加速

Hertha Metals


Hertha Metals(ハータ・メタルズ)は、テキサス州コンローにおいて高純度鉄の初商用プラント「Hertha Chalyx」の立案・建設に着工しました。 約1億ドル(約150億円)を投じる同工場は、年間約1万トンの製鉄グレードおよび磁石用鉄(高純度鉄)を生産する見込みです。同施設は既存のパイロットプラント(Pi100)に隣接し、米国における高純度鉄の製造イノベーション拠点として機能します。

米国政府は経済安全保障の観点から同事業へ6,500万ドルの株式投資を実行しました。 原料にはミネソタ州アイアン・レンジ産の国産鉄鉱石とテキサス州産の天然ガスを活用します。EV(電気自動車)や風力発電、国防システムに不可欠なNdFeB(ネオジム)磁石は、重量の約70%を磁石用鉄が占めており、従来はその94%を中国からの供給に依存していました。Hertha Metalsはこの戦略的サプライチェーンのボトルネック解消を目指します。

同社が開発する「FLEXHERS」技術は、電気炉と天然ガスおよび水素を組み合わせ、直接還元プロセスによって高純度鉄を抽出します。 すでにパイロット段階で99.95%の純度を達成しており、大手磁石メーカーのサプライヤー認定プロセスを進行中です。Chalyxプラントは2027年後半に稼働を開始し、2028年初頭から磁石用鉄の本格供給を開始する計画です。


金属フォーカス 編集部コメント

米国政府による直接的な出資は、重要鉱物サプライチェーンの脱中国化に向けた強い危機感の表れと言えます。特にNdFeB磁石向け高純度鉄はこれまで見落とされがちだった高付加価値領域であり、同プロジェクトの成否は北米のEV・防衛産業の競争力を左右します。同技術が商業スケールで確立されれば、将来の年産50万トン級製鉄所の建設計画にも弾みがつくと分析します。

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