![]() |
| US Rare Earth |
中国政府は、米国の重要鉱物サプライチェーンの要であるMP MaterialsとUSA Rare Earthを、新たに輸出管理対象として指定しました。この決定により、両社は中国が規制するデュアルユース(軍民両用)技術や製品の調達が困難になります。米中間の通商摩擦が激しさを増す中で、中国側は重要鉱物産業の支配力を背景に米国企業への圧力を強めています。
米国レアアース戦略の鍵を握る両社への影響
両社は米国国内でのレアアース生産体制構築において、不可欠な役割を担っています。MP Materialsはカリフォルニア州のマウンテンパス鉱山を運営し、加工能力の拡大を推進してきました。また、USA Rare Earthは中国依存からの脱却を目指し、テキサス州やオクラホマ州で独自のバリューチェーンを構築しています。今回の輸出管理対象指定は、これら米国の戦略的プロジェクトに対する中国政府からの直接的な牽制と見なせます。
G7の輸入制限方針と深まる供給網の分断
今回の措置は、G7諸国が重要鉱物の中国依存度を2030年までに60%以下へ抑える方針を打ち出した直後に実施されました。米国政府は軍事分野や先端技術分野で中国製の素材を排除する動きを加速させています。その一方で、多くの下流産業が依然として中国の技術に依存しており、企業側は急激な供給網の再編という難題に直面しています。今後も重要鉱物を巡る攻防は、米中の経済安全保障を左右する最前線となるでしょう。
金属フォーカス 編集部コメント
中国による今回の輸出管理指定は、資源の囲い込みを通じた「資源ナショナリズム」が、企業単位の制裁へと先鋭化した事例です。米国企業は調達先の多角化を急ぐ必要がありますが、技術基盤を含めた完全な脱中国化には時間がかかります。今後は特定の鉱物だけでなく、加工技術や関連設備を含めた広範なサプライチェーンの保護が、各国の産業政策において最優先事項となるはずです。


