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| Europe Steel Quota |
韓国政府はEU(欧州連合)による鉄鋼セーフガード(緊急輸入制限)のクォータ(割当枠)削減措置について、同国への影響を最小限に抑える方向でEU側と合意に達しました。キム・ジョングァン産業通商資源部(省)長官が明らかにしたもので、現行約258万トンのクォータが当初懸念された46%という大幅な削減を免れる見通しです。韓国側は今回の交渉において、EU側の措置が自由貿易協定(FTA)に違反している点を強く主張しました。さらにソウル側も対抗措置を辞さない構えを示し、譲歩を引き出した模様です。
対EU鉄鋼輸出の安定化へ、国内メーカーへの支援も表明
EU市場は韓国の鉄鋼メーカーにとって、年間輸出量(昨年実績2,825万トン)の約11%にあたる324万トンを占める重要な第二の巨大市場です。それゆえに今回のEU鉄鋼クォータの大幅削減回避は、ポスコ(POSCO)や現代製鉄などの国内主要サプライヤーにとって大きな安堵をもたらします。韓国政府は具体的な合意数量の明示を避けたものの、EUへの見返りとなる具体的な譲歩案は提示していないと強調しました。加えて、政府はEU側のクォータ最終承認後に、国内の鉄鋼生産者を包括的に下支えする追加の支援策を導入する方針です。
グローバルな鉄鋼貿易摩擦の構図と今後の影響
今回の韓国とEUの鉄鋼クォータを巡る攻防は、世界的な保護貿易主義の台頭を象徴する動きと言えます。一方で、同様の鉄鋼貿易摩擦は他の地域でも同時並行で進展しており、例えば英国とインド間の自由貿易協定(FTA)が7月15日に発効する予定です。インド側も英国の鉄鋼保護措置に対する懸念を解消し、輸出の85%が影響を受けない枠組みを確保したと発表しました。このように主要国が相次いでクォータ交渉や例外措置の獲得に動く中、世界の鉄鋼流通サプライチェーンは新たな地政学的リスクへの適応を迫られています。
金属フォーカス 編集部コメント
EUによる保護主義的な関税障壁に対し、韓国政府が対抗措置の辞さない強硬姿勢でクォータ急減を阻止した功績は、実務的に極めて大きいと評価できます。しかし、欧州市場における炭素国境調整措置(CBAM)の本格化など、自動車や建設向け高級鋼材を取り巻く環境は中長期的に一段と厳しさを増す見通しです。日本の鉄鋼メーカーにとっても、韓国材の欧州向け流出阻止に伴うアジア市場への余剰感波及を含め、今後の需給バランスの変動を注視する必要があります。


