アルミ・非鉄スクラップ市場に迫るホルムズ海峡リスク:アジア再生資源業界の動向

The Strait of Hormuz disruption


中東と米国によるイラン攻撃の影響で、ホルムズ海峡を経由する金属・スクラップ輸送に深刻な混乱が生じています。特にGCC諸国(バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、UAE)からの一次アルミや非鉄スクラップの供給が影響を受けています。これらの素材は主にインド、バングラデシュ、パキスタン、マレーシア、タイ、ベトナムなどアジア各地の製錬所や加工業者に向けて出荷されてきました。


GCC地域のスクラップ供給網と生産への影響

UAE拠点のPGIグループのアンシュル・グプタCEOによれば、ホルムズ海峡はアルミニウムだけでなく、金属全体のエコシステムに不可欠です。輸送の遅延や海上リスクサーチャージの導入により、アルミ精錬所は生産能力を縮小、あるいは不可抗力条項を発動せざるを得ない状況です。結果として、インドや日本をはじめとした東アジア市場はスクラップ供給の制約に直面しています。代替ルートのジェッダ経由もコスト増、トラック不足、複雑な通関手続きの問題が存在します。


金属価格と市場動向の変化

この地政学的リスクは、非鉄金属市場に直接的な価格上昇圧力をかけています。ロンドン金属取引所(LME)でのアルミ現物価格は、2月26日の1トン3,121ドルから3月31日には3,585ドルに上昇し、約15%の値上がりを記録しました。銅価格も高止まりしており、再生アルミや非鉄スクラップの輸送コストと相まって、アジア市場の調達戦略に大きな影響を及ぼしています。


金属フォーカス 編集部コメント

ホルムズ海峡の長期的な閉鎖は、アジアの再生資源供給網に深刻な圧力をかけます。スクラップ・アルミ・銅の価格上昇は製造業コストに直結し、サプライチェーンの多角化や代替ルート確保の重要性が一層高まるでしょう。今後の市場安定には、地政学リスクを考慮した投資戦略が不可欠です。


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