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| Sohar ports Base metal exports |
オマーン東部半島に位置するソハール港は、3月6日時点で完全に稼働しており、軍事攻撃の影響を受けていません。一方、デュクム港やサラーラ港は3月3日に無人機攻撃を受け、一時的に操業停止となりました。これらの港は米軍の戦略燃料備蓄を抱えていることから、フーシ派による攻撃の標的となったと報告されています。ソハール港は米軍関連施設が存在せず、輸出港としての機能を維持しています。
ソハール港の輸出能力と物流制約
オマーンは地域内で中立的な貿易拠点として認識されており、「地域のスイス」とも称されます。商業便はマスカットから運航を継続しており、基礎金属輸出も可能です。しかし、市場ではソハール港の実際の利用可能性に対する混乱があり、容量が十分に活用されていません。ソハール港はコンテナ貨物およびバルク貨物の取り扱い能力を持ち、Oman International Container Terminal(現Hutchison Ports Sohar)は2016年に2万TEU級船舶対応能力を達成しています。しかし、陸上輸送の制約が主要なボトルネックとなっています。
陸上輸送コストと地域の物流課題
中東地域の製錬所からサウジアラビア・ジェッダ港へアルミニウムを陸送する場合、3月の出荷では1トンあたり最大45ドルの追加コストが発生すると報告されています。地域の製錬業者は輸送ルート変更を検討していますが、24時間稼働のトラック輸送や食料・重要物資との競合により、大規模対応は困難です。さらにアルミナは粉末状で流動性が高く、輸送や保管に専門的設備が必要で、供給制約が解消されにくい状況です。
世界市場への影響
欧州ではアルミニウムP1020プレミアムが急騰しており、ロッテルダムの週次評価では1トンあたり420~455ドルとなりました。ホルムズ海峡の閉鎖により、アジア太平洋地域から中東向けに予定されていたアルミナ輸送が滞り、製錬所の原料供給に影響が出ています。銅については湾岸地域が純消費地域であるため広範な影響は限定的ですが、アフリカの銅鉱山向け硫黄供給の長期中断は生産制約を招く可能性があります。
金属フォーカス 編集部コメント
ソハール港は中立的な輸出拠点として機能しており、地域紛争下でも基礎金属輸出を維持できます。しかし陸上輸送制約やアルミナ輸送の難しさが供給リスクを高めています。今後の地域情勢と物流対応が、グローバル金属市場の安定性を左右する重要要素となります。


