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| Nonferrous metal |
非鉄金属市場は長年にわたり変動が続いていますが、近年そのボラティリティはさらに増大しています。コーエン社(オハイオ州ミドルタウン本社)のエグゼクティブ・バイス・プレジデント、ジョエル・フォーゲル氏によると、中東紛争は特にアルミニウム市場に影響を与える可能性があります。米国とイスラエルによるイランへの空爆開始から2週間が経過した3月中旬時点でも、ホルムズ海峡の閉鎖は続いており、世界的な供給不安が高まっています。
中東のアルミニウム供給と市場への影響
中東は世界アルミニウム供給の約10%を占め、昨年のGCC諸国による一次アルミ生産量は620万トンでした。カタールのHydro ASAとQatalum(カタールアルミ製造会社)の合弁企業は、ガス供給不足により稼働率を60%に抑えています。一方で、ホルムズ海峡の閉鎖を受け、QatalumおよびバーレーンのAluminum Bahrainは不可抗力(フォース・マジュール)を宣言しました。欧州市場にとってもMozal Aluminum(南アフリカ)の3月末稼働停止が重なり、供給リスクは一層深刻化しています。
さらに、米国のアルミ輸入に対する50%関税(セクション232条項)の影響で、ミッドウエスト・プレミアムは上昇し、ロンドン金属取引所(LME)価格に加算されています。フォーゲル氏によれば、ニッケルを除く全ての非鉄金属は過去6か月で価格上昇していますが、日々の変動幅は1ポンドあたり7~12セントと大きく、アルミLME価格の上昇は一次アルミスクラップ価格にも好影響を及ぼしています。
二次市場とその他非鉄金属の動向
二次アルミ市場では、住宅・自動車市場の需要が弱く、380番インゴットなどの販売価格上昇は限定的です。一方、銅市場では国内外の需要改善によりスプレッドが縮小しつつあります。さらに、中東紛争による燃料コスト上昇は、輸送運賃やコンテナ費用にも影響を与えています。John Gross氏の分析によると、アルミ価格は2022年の高値$1.75に迫る可能性があり、中東の供給リスクが価格上昇を後押ししています。
金属フォーカス 編集部コメント
中東情勢による供給リスクは、非鉄金属市場全体のボラティリティを高めています。特にアルミニウムは一次供給依存度が高く、短期的な価格変動リスクが増大しています。投資家や製造業者は、供給チェーンの安定性と地政学的リスクを考慮した戦略的判断が求められます。


