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| Jupiter Aluminum |
米国インディアナ州ハモンドに拠点を置くJupiter Aluminumは、主要な反射炉の一つを最新技術で改修し、溶解速度と金属流動性の大幅な向上を実現しました。従来3.5~4か月かかる炉のリビルドを、わずか55日で完了。費用は約250万ドルでした。プラントマネージャーのクリス・ポーター氏は、改修後の炉で金属の流動特性が約20%向上し、溶解速度が15%増加したと述べています。
ハモンド工場の生産能力拡大と廃スクラップ活用
ハモンド工場は、建築・建設業界向け3105および3004アルミニウム合金を年間2億ポンド以上生産する予定です。改修により日次生産量がボトルネックとなる課題を解消。ジュピターアルミニウムは、改修作業を社内で管理する代わりに、テキサス州ワクサハチーのAmerican Industrial Servicesに委託しました。AISは設計、製作、機械設備、耐火材サービスを一括で提供し、効率的なプロジェクト完了を支えました。
さらに、Pyrotek(ワシントン州スポケーン本社)による水モデル分析を活用し、炉内の幾何学的設計を最適化。LOTUSS(Low Turbulence Scrap Submergence)システムを導入することで、粉砕スクラップを迅速に溶湯に沈降させ、酸化や金属損失を削減しました。この取り組みにより、ジュピターアルミニウムは代替スクラップ利用の幅を拡大し、コスト削減と環境負荷低減を両立しています。
将来的な設備投資とサステナビリティ戦略
ジュピターアルミニウムは、2027年と2028年に残りの2台の反射炉のリラインを予定しており、今回の改修と同様の金属流動改善を見込んでいます。さらに社内スクラップ処理プロジェクトを開始し、使用可能なスクラップの種類を拡大。一次アルミの使用比率を2027年までにほぼゼロにする計画です。独自技術「Jupiter Oxygen」により天然ガス消費を65%削減し、北米でも環境負荷の低い製造拠点の一つとして位置付けています。
金属フォーカス 編集部コメント
今回の炉改修は、北米アルミニウム生産における生産性とサステナビリティの両立を示す事例です。スクラップ活用と炉設計最適化により、コスト効率を大幅に改善し、建設業界向け供給安定性も高まります。今後の設備投資は、環境負荷低減と垂直統合戦略の成功を左右する重要なポイントとなるでしょう。


