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| Nickel |
インドネシアの主要ニッケル鉱山が減産を指示されたことで、世界のニッケル市場で価格が急上昇しています。LMEニッケルは一時17,910ドル/トンを記録し、12月中旬以降20%以上上昇しました。
インドネシアの減産と鉱山別影響
インドネシア政府は今年のニッケル鉱石生産を2億6,000万~2億7,000万トンに制限すると発表しました。これは従来見込みよりやや上回るものの、2025年目標の3億7,900万トンを大きく下回ります。中でもWeda Bay Nickelは今年1,200万トンに制限され、前年の4,200万トンから大幅減産となります。同鉱山はハルマヘラ島北マルク州に位置し、Tsingshan Holding Group、フランスEramet SA、PT Aneka Tambangが共同所有しています。
今回の減産は、世界の供給過剰を抑制する狙いがあります。インドネシアは世界供給の約65%を占めており、過剰生産により過去2年間の価格低迷を招きました。オーストラリアやニューカレドニアの高コスト鉱山が閉鎖に追い込まれた背景もここにあります。
EV・ステンレス市場への波及
ニッケルはステンレス鋼や電気自動車(EV)用バッテリーに広く使用されます。しかし、バッテリー分野では一部メーカーが非ニッケル系化学品に移行しており、需要は予想ほど伸びていません。その一方で、インドネシアの減産により市場はタイト化し、Macquarie Groupは2026年のLMEニッケル価格予測を1万7,750ドル/トンに18%引き上げました。
加えて、インドネシアは石炭生産量も制限しており、世界最大の輸出国として鉱山割当の25%削減が見込まれています。これにより、一部操業停止や海外市場の代替供給確保が急務となる可能性があります。
金属フォーカス 編集部コメント
インドネシアの減産は、世界のニッケル供給構造に大きな影響を与えます。EVバッテリーやステンレス鋼市場で価格上昇圧力が強まり、投資家やメーカーは供給リスクと価格動向の両方を注視する必要があります。今後、インドネシア政策の動向が市場安定の鍵を握ります。


