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| SSAB Zero Steel |
スウェーデンの鉄鋼メーカーSSABは、ドイツの防衛メーカーRheinmetallとの間で脱炭素鋼の供給に関する戦略的契約を締結しました。Rheinmetallは防衛産業で脱炭素鋼を使用する世界初の企業となります。
SSABは、まず廃鋼を原料とし、化石燃料を使用せずに電力で製造した「SSAB Zero」をRheinmetallに供給します。初回出荷の時期は未定ですが、実施計画は進行中です。将来的には水素還元鉄を使用するHYBRITプロセス鋼材も供給に加える予定です。SSABのサステナビリティ責任者トーマス・ホーンフェルト氏は「この契約は戦略的な長期契約であり、供給の実施計画を練っている段階」と述べています。
脱炭素鋼への移行と欧州の支援
SSABは、ルレオ工場の石炭ベース製鋼からほぼゼロエミッションシステムへの移行を支援するため、欧州委員会から2024年に1億2,800万ユーロの助成金を受けています。同社は水素ベースの直接還元鉄を用いた電気炉(EAF)を導入し、既存の高炉を置き換える計画です。導入は2028年の稼働開始、2029年のフル稼働を目指しています。
一方で、スウェーデンの低炭素鋼メーカーStegraも商業契約を進めており、2027年の初回納入に向けて年間2.5百万トン規模の計画の半分以上を事前販売済みです。主要顧客にはドイツのThyssenkrupp Materials Processing Europe、イタリアのMarcegagliaなど複数の欧州メーカーが含まれます。
金属フォーカス 編集部コメント
SSABのRheinmetall向け脱炭素鋼供給は、防衛産業における低炭素材料利用の先駆けとなります。将来的には軍需以外の自動車・建設分野への拡大も期待され、欧州全体の鉄鋼脱炭素化の指標になるでしょう。投資家やメーカーは供給チェーンの脱炭素対応を早期に検討すべきです。


