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| China rare earth licences |
中国は米国との貿易休戦に応じ、レアアースの新規簡素化輸出ライセンスを初めて発行しました。これにより、世界の製造業サプライチェーンに安定性がもたらされる一方、依然として透明性や供給リスクへの懸念も残ります。
レアアース輸出規制と新ライセンスの意義
今回発行されたライセンスは、JL Mag Rare Earth、Ningbo Yunsheng、北京中科三環ハイテックなど中国の主要磁石メーカー3社に対して適用されます。レアアースは米中貿易摩擦の中心課題であり、中国は世界の採掘量の半数以上とほぼ全加工を支配しています。輸出規制により、電気自動車や防衛産業を含む多くの業界で供給不安が広がりました。
新ライセンスは「一般ライセンス」と呼ばれ、期間内で複数回の出荷を可能にし、従来の都度承認制を簡素化します。この仕組みにより、企業は輸出承認の手間を大幅に削減でき、グローバル市場に安定供給を示すことが可能になります。
欧州企業と市場への影響
欧州商工会議所(EU Chamber of Commerce in China)は、今回のライセンス発行が「買い手に安定性と予測可能性を提供する」と評価しています。従来制度下で遅延を経験した欧州企業は歓迎しつつも、依然として透明性不足や長期的な供給リスクに注意を払っています。
輸出制限下でも、中国からのレアアース磁石の出荷は回復傾向にあり、10月には米国向け輸出が9か月ぶりの高水準を記録しました。しかし、年間総供給量は依然として前年比20%減と報告されています。
金属フォーカス 編集部コメント
中国の新規簡素化ライセンスは、短期的にレアアース市場の安定性を高めます。今後は、ライセンス拡大や透明性向上が、米中貿易摩擦による供給リスク低減とグローバル製造業への影響緩和に直結すると考えられます。
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