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| EU Important Minerals Policy |
欧州は重要鉱物の安定供給を確保するため、より積極的な戦略を検討する必要があります。先週、ブリュッセルで開催されたAntimony Dayでは、米国の介入主義的政策をモデルとするEUの対応策が議論されました。
米国は国家安全保障と中国依存削減の観点から、積極的に重要鉱物の確保を進めています。Defense Production Actによる資金供給や国内市場リスク低減のための価格下限設定、海外鉱山企業への出資など、多岐にわたる戦略を展開中です。この動きは、EUに対しても警鐘となっています。
専門家は、EUが迅速に戦略的プロジェクトへの資金供給を保証する必要があると指摘します。European Initiative for Energy Securityのアルベリック・モングルニエ理事は、既存の公的資金を再活用し、重要鉱物プロジェクトへの資金を効率的に配分すべきだと述べました。また、鉱山企業との長期購入契約(offtake agreements)交渉も推奨されています。米国はすでにグリーンランドやカナダの希土類鉱山でCritical MetalsやUcore Rare Metalsと長期契約を締結しています。
EUは、企業への株式取得や強制的調達義務の導入も検討対象となります。防衛分野に特に重要ですが、自動車産業など他分野にも適用可能です。欧州委員会のデニス・レドネット副事務局長は、価格下限設定や必須調達義務、offtake契約は選択肢として排除されていないものの、自由市場の仕組みに介入するため慎重な検討が必要だと述べました。
ブリュッセルでは現在、EU Resource Planを策定中です。これは重要鉱物の代替供給源を特定し、中長期的な安定供給体制を構築するための取り組みで、12月に欧州委員会で最終承認される予定です。
金属フォーカス 編集部コメントEUが米国型の介入主義を参考に戦略を強化すれば、重要鉱物の安定確保と供給リスク低減につながります。これにより、防衛や自動車産業などの主要セクターで長期的な競争力向上が期待されます。


