Barrick Mining 分割検討:北米・アフリカ・アジア戦略の再編可能性

Barrick Mining


カナダの大手金鉱山企業、Barrick Miningが、事業を北米専用とアフリカ・アジア専用の二分割にする可能性を検討していると、複数の関係筋が明らかにしました。株主や投資家の間では、北米資産を中心に企業価値を最大化する戦略として注目されています。


北米資産への集中とFourmile鉱山の価値

Barrickは、ネバダ州の大規模未開発金鉱山Fourmileを含む北米資産に注力する計画です。Fourmile鉱山は2039年までに試験生産開始が予定されており、北米資産を強化することで、潜在的な買収提案における過小評価リスクを低減できます。一部アナリストは、Barrickが分割すれば、Fourmileを中心とした北米部門が世界最大級の金鉱山企業として評価され得ると指摘しています。


アフリカ・アジア資産の売却可能性

一方で、アフリカやパキスタンの資産は売却対象になる可能性があります。特にマリ共和国にあるLoulo-Gounkoto鉱山では、現地の軍事政権との紛争解決を条件に売却を検討中です。以前の税制変更により、同鉱山では金の押収や従業員拘束が発生し、$10億の減損計上につながった事例もあります。Barrickのアフリカ・アジア資産は政治リスクが高く、投資家は分割によるリスク分散を求めてきました。


投資家評価と市場反応

Barrick株は今年、金価格の高騰を背景に130%上昇しましたが、過去5年間のリターンは競合他社に比べて低調です。投資家は企業価値最大化のため、安定資産とリスク資産の明確な分割を提案してきました。今回の分割検討報道を受け、トロント証券取引所では株価が3%上昇し、市場は前向きに反応しています。


金属フォーカス 編集部コメント

Barrickの分割検討は、北米資産を軸に企業価値を再評価する動きとして注目されます。アフリカ・アジア資産の整理は政治リスク軽減につながり、今後のグローバル金鉱山市場に影響を与える可能性があります。長期的には、資産の地域別最適化が投資家の評価改善に直結すると考えられます。

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