ブラジルAMC、国内クリティカルミネラルのサプライチェーン統合を推進

AMC critical minerals supply chain


ブラジルの新設クリティカルミネラル協会(AMC)は、国内での統合されたクリティカルミネラル供給チェーンの構築を目指しています。AMC理事長のマリサ・セサル氏は、ブラジルの鉱業界が十分な資金調達を受けられず、潜在力を最大限に活かせていない現状を指摘しました。


国内産業強化に向けた課題と政策提言

セサル氏によれば、ブラジルは世界有数のクリティカルミネラル生産国となる潜在力を持つ一方で、税制優遇や補助金などの政策面が不十分です。その結果、中下流加工施設は他国で展開され、ブラジルでの産業育成が遅れています。AMCは、税制免除や補助金を提供する公的政策を導入することで、国内での下流加工や付加価値の高い製品生産を促進する必要があると強調しています。

また、リチウムの加工には国内で入手できない化学素材が存在し、輸入コストが生産費用を押し上げています。国内鉱山企業は長年、連邦政府による支援を求めており、これにより国内需要を喚起し、下流加工への移行を可能にしたいと考えています。


ジュニア鉱山企業支援とサプライチェーン統合

AMCは、ジュニア鉱山企業や若手生産者への資金支援を核心的目標の一つとしています。多くのジュニア企業は担保資産が不足しており、銀行からの融資やクレジット確保に苦戦しています。AMCは、ブラジル開発銀行(BNDES)からの資金調達を円滑にする仕組みを整備し、国内での統合サプライチェーン構築を実現しようとしています。

ブラジルのルラ大統領も先日、国内クリティカルミネラルを採掘する外国企業に対し、原鉱石の輸出にとどまらず国内での加工・産業化を求める方針を表明しました。AMCの取り組みは、ブラジルをクリティカルミネラル分野での世界的な競争力強化へ導く重要な一歩となります。


金属フォーカス 編集部コメント

AMCの統合サプライチェーン構想は、ブラジルのクリティカルミネラル産業を国内で価値創出可能な形に再編する戦略です。政策支援とジュニア鉱山への資金供給が成功すれば、ブラジルは世界市場での競争力を大幅に高めることが期待されます。中下流加工の国内展開は、長期的に産業育成と経済波及効果を促進するでしょう。

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