Agnico Eagle クリティカルミネラル投資で新会社「Avenir Minerals」を設立

Avenir Minerals


カナダの金鉱大手 Agnico Eagle Mines(TSX, NYSE:AEM) は、約1億3,000万ドルを投じてクリティカルミネラル投資を統括する新会社「Avenir Minerals Limited」を設立した。

この動きは、同社の非中核資産を再編し、北米での重要鉱物供給体制を強化する戦略の一環である。今回の Agnico Eagle クリティカルミネラル投資 は、金鉱中心の事業モデルからエネルギー転換素材への分散を加速させるものだ。


非中核資産の再編とカナダでの戦略展開

Agnico Eagleは、新会社Avenirに対し現金5,000万ドルを出資し、既存の初期段階プロジェクト(約8,000万ドル相当)を移管する。Avenirは独立した運営体制を持ち、カナダを中心にクリティカルミネラルプロジェクトの探索・開発・政府連携を推進する予定だ。

Agnico Eagleは、金と銅を主軸とする既存事業を維持しつつ、レアアースアンチモンなど戦略金属分野への投資を拡大する計画である。Agnico Eagle クリティカルミネラル投資の狙いは、エネルギー転換に必要な金属の供給網をカナダ国内で確立することにある。

同社は今週、米国の金・アンチモン生産企業 Perpetua Resources(NASDAQ, TSX: PPTA) にも1億8,000万ドルを投資した。米アイダホ州の「Stibniteプロジェクト」は、米政府支援のもとで国内の重要鉱物供給再構築を目指している。


金生産の安定と財務強化、そして長期展望

Agnico Eagleは第3四半期に過去最高の純利益10億6,000万ドル(1株当たり2.10ドル)を計上した。金価格上昇と安定した鉱山操業が収益を押し上げ、調整後純利益は10億9,000万ドルに達した。営業キャッシュフローは18億2,000万ドル、フリーキャッシュフローは11億9,000万ドルを確保した。

その結果、9月末時点で同社は現金残高23億6,000万ドル、純現金ポジション21億6,000万ドルを維持。ムーディーズは8月に長期格付けをBaa1からA3へ引き上げた。

主力資産の開発も順調に進展している。カナダのCanadian Malarticでは2026年後半の生産開始を目指して立坑掘削を進め、Detour Lakeでは地下開発が四半期で259メートル進行。Hope Bayでは高品位鉱化帯の延長を確認した。さらにメキシコのSan Nicolasでは年内にフィージビリティスタディの30%完了を予定している。

Agnico Eagleの株価はニューヨーク市場のプレマーケットで小幅上昇し、時価総額は約790億ドルに達した。

今回の Agnico Eagle クリティカルミネラル投資 は、金鉱業界における資源多角化の新たなモデルケースとなる可能性が高い。


金属フォーカス 編集部コメント

Agnico EagleのAvenir設立は、金鉱企業がエネルギー転換金属分野へ進出する潮流を象徴している。特に北米のサプライチェーン強化が進む中、Agnico Eagle クリティカルミネラル投資は、国家資源戦略と民間投資の連携モデルとして注目される。


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