LME、持続可能な金属にプレミアム価格を導入予定

LME


ロンドン金属取引所(LME)は、持続可能な金属の価格に対してどの程度のプレミアムが顧客に受け入れられるかを決定する新しいメカニズムを導入する計画を発表しました。これにより、低炭素で生産された金属が競争力を持つための基準が明確化されます。


持続可能な金属に対するプレミアム価格の導入

LMEは、炭素排出量が少なく、持続可能な基準を満たす金属に対するプレミアム価格の導入を目指しています。これにより、再生可能エネルギーで生産された金属が、石炭を使用して製造された安価な金属と競争できるようになるとしています。LMEはこれまで、持続可能な金属に対する個別の契約を導入することを拒否してきましたが、今回の新しいメカニズムは市場の流動性を維持しつつ、持続可能性の基準を明確にするものです。

LMEのCEOマシュー・チェンバレン氏は、持続可能な金属にプレミアム価格がつかない可能性もあると述べています。「プレミアムがない場合、それがゼロであることを公表することに全く問題はない」とコメントしました。これは、消費者にとって持続可能な金属に対する支払い意欲が低い現状を反映しています。


Metalshubとの提携とデジタル取引の強化

新しいプレミアム価格設定メカニズムは、来年の第1四半期に開始される予定で、LMEはすでに低炭素ニッケルの取引を行っているデジタルプラットフォーム「Metalshub」との提携を拡大します。これにより、銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛などのLMEブランド金属も、持続可能な基準を満たす場合、Metalshubで取引されることになります。

持続可能な基準には、最大炭素排出量や国際的に認められた第三者の持続可能性基準が含まれます。また、取引が十分に行われない場合、プレミアム価格は、LMEの親会社である香港交易所(HKEX)が新たに設立した企業「Commodity Pricing and Analysis Limited」によって算出されます。

この新しい取り組みは、LMEとMetalshubが目指すデジタルプラットフォームとスポット取引の普及を後押しするとともに、市場の効率性向上にも寄与することが期待されています。これにより、電話やメールを使った従来の取引方法に代わり、デジタル取引が主流になることが予測されます。


今後の展望

持続可能な金属に対する市場の反応とプレミアム価格の受け入れ状況は、今後の金属市場における重要な指標となるでしょう。特に、低炭素で生産された金属に対する需要が高まる中で、企業や投資家はこの新たな価格設定メカニズムを注視する必要があります。


金属フォーカス 編集部コメント

LMEの持続可能な金属に対するプレミアム価格設定は、今後の金属市場のトレンドを示す重要な動きとなります。特にデジタルプラットフォームでの取引の拡大は、市場の効率化と透明性向上をもたらし、投資家やメーカーにとって新たなビジネスチャンスを生み出す可能性があります。


コメントを投稿