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| Hyundai Motor |
韓国の自動車大手ヒュンダイモーターは2030年までにインドへ約51億ドルの投資を計画しています。これは同社がインドでのハイブリッド電気自動車(HEV)生産を強化し、2030年までに8モデルのハイブリッド車と5モデルのバッテリー電気自動車(BEV)を投入する戦略を示すものです。
ヒュンダイのCEOであるホセ・ムニョス氏は、2024年10月15日の投資家向け説明会で、現在インドでゼロのハイブリッドSUVを2030年までに8車種に拡大すると述べました。これにはコンパクトで手頃なモデルから大型のプレミアムSUVまで幅広いセグメントが含まれます。
ムニョス氏は、ハイブリッド車が同社の利益成長の鍵であると強調しました。現在のところ、BEVはハイブリッドに比べ利益率が低く、競合他社では損失を出しているケースもあります。ただし将来的にはBEVの利益率がハイブリッドに匹敵する可能性も指摘しています。
インドのプネ工場では2028年までに約25万台の年間生産能力増強を予定しており、これは米国のメタプラントに次ぐ規模です。また、2032年までにディーラーや主要拠点、高速道路沿いに600以上の急速充電ステーションを設置する計画で、現在の125基のDC急速充電器と950台近いAC充電器に上乗せされます。
さらに、同社は2030年までにインド生産の約30%を輸出し、仮想自律製造システム「HMGX 3.0」をインド工場に導入する目標も掲げています。インドの自動車国内販売台数は2030年に560万台に達すると見込まれており、ヒュンダイは年間110万台の生産能力を背景に市場シェア15%を狙います。
ムニョス氏はまた、今年から国内で柔軟なバッテリー工場を立ち上げ、地元で組み立てたバッテリーパックを生産すると説明しました。さらに、韓国の他バッテリーメーカー同様に、インドでリチウム・鉄・リン酸塩(LFP)プリズマティック電池の共同生産にも注力する方針です。
金属フォーカス 編集部コメント
ヒュンダイのインドでの大規模投資は、世界の自動車産業における電動化とサプライチェーンの地域分散を象徴しています。特にLFPバッテリーの地産地消戦略は、韓国だけでなくインド市場の成長と電池技術の多様化に重要な役割を果たすでしょう。今後の動向が業界に与える波及効果に注目が集まります。


