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boston metal carbon free steel |
ボストン・メタルは、炭素排出ゼロの製鉄技術である溶融酸化物電解(MOE)法で、複数のブレークスルーを達成しました。同社のMOE技術は、鉄鉱石やその他の金属酸化物から鉄や金属を製造します。この革新的なプロセスは、持続可能な金属生産の未来を切り拓く可能性を秘めています。
同社は、フィンランドのステンレス鋼メーカーであるアウトクンプと戦略的提携を結びました。この提携により、ボストン・メタルは、不活性アノード製造に不可欠なクロム原料を安定的に確保できます。アウトクンプはクロム供給者となり、さらにボストン・メタルの技術を活用して、自社のプロセスから高価値の金属を回収する可能性も探っています。この協業は、両社にとってウィンウィンの関係を構築します。
ボストン・メタルの技術は、溶融電解槽に金属酸化物を投入し、電気を用いて金属と酸素を分離します。このプロセスは石炭を使用しないため、二酸化炭素を排出せず、唯一の副産物は酸素です。これにより、クリーンなグリーン・スチールやその他の合金を生産できます。さらに、ブラジル子会社では、ニオブやスズなどの高価値金属を鉱山廃棄物から回収する商業プラントの稼働を控えています。これらの取り組みは、資源の有効活用と環境負荷低減を両立させるものです。
金属フォーカス 編集部コメント
ボストン・メタルのMOE技術は、単なる製鉄プロセス革新に留まりません。アノード技術の耐久性向上と多極化により、商業規模での生産コスト削減に道を開きました。この技術が普及すれば、鉄鋼業界だけでなく、鉱山廃棄物からの金属回収など、広範な産業における持続可能性に大きな波及効果をもたらすでしょう。
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STEEL