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simandou iron ore |
リオ・ティント(ASX: RIO)は、ギニアの巨大なシマンドゥ鉄鉱石プロジェクトで、高コストな国内製錬への投資を余儀なくされる可能性があります。同国の軍事政権は、鉱山企業に対し、国内の加工施設建設を求める方針を明確にしています。これは、資源からより多くの価値を得て、経済発展を促進するための重要な戦略です。
ギニアは世界第2位のボーキサイト生産国であり、既に一部の鉱山企業との契約を解消しました。その中には、アルミナ製錬所建設の進捗が遅れたエミレーツ・グローバル・アルミニウム社も含まれます。この政策は、アフリカ全土で広がる「資源ナショナリズム」の動きを反映しています。ギニアのイスマエル・ナベ企画・国際協力大臣は、「ギニアで採掘された鉱石は、国内で加工しなければならない。それが我々のゲームプランだ」と述べています。
高品位鉄鉱石と巨大インフラ:プロジェクトの価値と課題
ギニアのシマンドゥ鉄鉱石プロジェクトは、世界最大かつ最高品位の新規鉄鉱山になる見込みです。最終的には年間1億2,000万トンの高品位鉱石を生産します。この巨大プロジェクトは、シマンドゥ山脈と大西洋岸の新深水港を結ぶ全長600キロの鉄道開発を含みます。リオ・ティントは、プロジェクトを構成する2つの鉱山のうち1つを運営します。一方、中国の鉄鋼大手である中国宝武鋼鉄集団が支援するWinning Consortium Simandouは、別のブロックを管理します。この開発計画は、政治的安定性の欠如から長年停滞していました。
金属フォーカス 編集部コメント
ギニア政府の国内加工要求は、鉱業企業にとっての新たなリスク要因です。資源ナショナリズムの台頭は、投資コストを増加させ、プロジェクトの経済性を左右する可能性があります。しかし、高品位な鉄鉱石は脱炭素時代に需要が高まります。このため、国際的な投資家や鉄鋼メーカーは、依然としてギニアのシマンドゥ鉄鉱石プロジェクトの動向を注視するでしょう。サプライチェーンの多様化と安定供給の観点からも、同プロジェクトの行方は極めて重要です。