関東鉄源9月輸出入札、わずかに上昇―日本の鉄スクラップ市場の現状と展望

Japan Steel Scrap


日本の鉄スクラップ市場は、緩やかな回復を見せ始めました。関東鉄源(関東鉄源事業協同組合)が実施した9月の輸出入札は、前月比でわずかに価格が上昇しました。これは、低迷する海外需要の中で注目すべき動きです。


緩やかな価格上昇の背景

今回の入札では、H2スクラップ15,000トンがfas価格で1トンあたり41,970円で落札されました。これは8月の入札価格から82円の上昇です。fob価格換算では42,970円となり、市場価格をわずかに上回る水準です。品質に対するプレミアムが、この価格を支えました。

落札先はバングラデシュの製鉄会社と見られます。バングラデシュはモンスーンによる季節的な需要減退にもかかわらず、国内供給が不足しているため、日本の鉄スクラップを継続的に調達しました。


日本の鉄スクラップ輸出市場の課題と将来展望

日本の鉄スクラップ市場は、近隣諸国の需要低迷に直面しています。過去数週間、日本の輸出オファーは他国と比較して競争力に欠けていました。また、鉄鋼販売が停滞し、海外バイヤーの購入意欲を削ぎました。しかしながら、日本の売り手は国内の集荷価格が高止まりしているため、価格を維持しました。

今後、日本の鉄スクラップ市場は海外需要の回復を期待しています。雨季の終わりとともに、ベトナムなどの鉄鋼消費が年末に向けてピークを迎える見込みです。ベトナムの製鉄会社はH2スクラップに対し、1トンあたり315〜318ドルの価格帯で購入意欲を示しています。この動向は、日本の鉄スクラップ輸出業者にとって明るい兆候です。


金属フォーカス 編集部コメント

今回の日本の鉄スクラップ入札結果は、海外市場の変動に対する国内の底堅さを示唆しています。国際的な需要の軟化にもかかわらず価格を維持したことは、日本国内の鉄スクラップ供給網が安定していることを証明します。今後、アジアの主要消費国における需要回復が、市場全体を牽引する可能性があります。日本の鉄スクラップ輸出業者は、これらの動向を注視し、戦略的な価格設定を行う必要があります。


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