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Mexican auto tariffs |
メキシコ政府は、アジアを原産とする自動車の輸入関税を最大50%に引き上げると発表しました。この大胆な政策は、来年から施行されます。現在の関税率15~20%から大幅な引き上げです。加えて、自動車部品の関税も10~50%まで引き上げられます。この動きは、メキシコの国内生産を強化し、米国が課す関税に対抗する目的があります。
高関税がもたらす影響:アジアメーカーの戦略変更
今回のメキシコ 自動車関税引き上げは、主に中国からの輸入に大きな影響を与えます。メキシコの自動車販売のうち、中国製車両が18%以上を占めているからです。さらに、インドや韓国、タイなど貿易協定を持たない国も対象に含まれます。その結果、アジアを拠点とする自動車メーカーや部品メーカーは、メキシコ市場へのアプローチを見直す必要があります。新規制は、グローバルな自動車産業のサプライチェーンに再編を促すでしょう。
南米に広がる保護主義:ブラジルの先行事例
メキシコの今回の措置は、孤立したものではありません。南米ではすでに保護主義の波が広まっています。ブラジルは最近、輸入EVに対する関税引き上げを前倒ししました。ブラジル自動車工業会は、BYDや長城汽車などの中国メーカーが「不当な低価格」で市場に参入したと非難しました。この動きは、中国メーカーのグローバル展開戦略に直接的な影響を与えます。一方で、BYDはブラジル国内に工場を建設中です。各国が保護主義的な貿易政策を強める中、メキシコ 自動車関税の引き上げは、企業が生産拠点の多角化を加速させる契機となるでしょう。
金属フォーカス 編集部コメント
今回の関税引き上げは、自動車メーカーや部品メーカーの投資戦略に大きな影響を与えます。サプライチェーンの重心は、北米自由貿易協定(USMCA)域内へとさらにシフトする可能性があります。その結果、メキシコやカナダでの鉄鋼、アルミニウムなどの金属需要が増加する波及効果も考えられます。企業は、地政学的リスクを考慮したサプライチェーンの構築を急ぐべきです。