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Silver Prices |
銀価格が2011年以来初めて1オンスあたり45ドルを超えました。これは、米経済の先行き不透明感から株式市場でリスク回避姿勢が強まったためです。銀は今年に入り55%以上の上昇を見せ、より高価な金を上回るパフォーマンスを示しています。
金銀市場を動かす要因と市場動向
銀価格の上昇は、米ドルの弱含み、中央銀行の買い入れ、そして地政学的リスクの高まりが主な要因です。特に、金の上場投資信託(ETF)への需要増加が安全資産への関心の高まりを示しています。シティグループによれば、9月の金ETFへの資金流入は過去最高の105億ドルに達し、年初からの流入総額は500億ドルを超えています。
ETFは今年の金需要の中で最も重要な役割を果たしており、金価格の上昇を支えていると市場アナリストは指摘します。一方、最近の連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始も貴金属相場に追い風となっています。
今後の展望と注目指標
FRBは先週0.25%の利下げを実施しましたが、先日発表された第2四半期のGDPデータは予想を上回る経済成長を示し、今後の利下げ見通しに不透明感をもたらしました。市場参加者は今後、米国の個人消費支出(PCE)物価指数に注目しています。これはFRBが重視するインフレ指標で、先月の伸びが鈍化すれば追加利下げの可能性が高まります。
Kotak Securitiesのアナリスト、カイナット・チェインワラ氏は「インフレの軟化はFRBの利下げ議論を強化し、貴金属価格を支えるだろう」とコメントしています。市場は今年中に2回の利下げを織り込んでいます。
金属フォーカス 編集部コメント
銀価格の45ドル突破は、米経済の不確実性が安全資産需要を押し上げた結果です。今後もFRBの金融政策動向が貴金属市場の鍵を握り、投資家のリスク選好の変化によって価格が大きく動く可能性があります。
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