米PNW Metal、太平洋岸北西部での大型シュレッダー稼働でスクラップ事業を拡大

PNW Metal Recycling


米国のリサイクル企業PNW Metal Recyclingは、ワシントン州ロングビューの施設で新しい自動車用大型シュレッダーの稼働を開始しました。この大型シュレッダーは、同社の太平洋岸北西部における事業拡大を象徴するものです。PNWは、2025年6月にこのシュレッダーの試運転を開始し、生産量を徐々に増やしています。今回の設備投資は、特に自動車用大型シュレッダーによる事業効率の最適化を目的としています。


最新の環境技術を導入した大型シュレッダー

この自動車用大型シュレッダーは、6,000馬力の出力を持ち、5,400平方フィートの建物内に完全に格納されています。さらに、最新の環境制御システムを搭載している点が特筆されます。再生熱酸化装置(RTO)と湿式酸性ガススクラバーを装備しており、環境負荷の低減に配慮しています。これにより、同社は環境規制が厳格化する中でも、持続可能な事業運営を可能にします。この新設備の導入は、同社の鉄スクラップ事業の効率を大幅に向上させ、特にロングビュー拠点での操業を強化します。


戦略的パートナーシップと事業再編

PNW Metal Recyclingは、この新シュレッダーの稼働に伴い、オレゴン州ポートランドの旧シュレッダーを一時的に停止しました。これにより、鉄スクラップ事業のオペレーションをロングビュー拠点に集約し、効率化を図っています。同社は2013年からロングビューの25エーカーの敷地をバルク貨物の積載拠点として活用してきました。また、2023年7月には日本の伊藤忠メタルズと戦略的パートナーシップを締結しています。これらの動きは、自動車用大型シュレッダーの導入と並行して進められており、PNW Metal Recyclingのさらなる成長に向けた布石です。


金属フォーカス 編集部コメント

自動車用大型シュレッダーの導入は、北米西海岸におけるスクラップ市場の競争力向上を明確に示唆しています。最新鋭の設備と環境対策を両立させることで、PNW Metal Recyclingは高品質なスクラップ供給能力を強化するでしょう。特に、日本の総合商社との連携は、アジア市場への輸出拡大を見据えた重要な戦略です。この動きは、グローバルな鉄スクラップサプライチェーンに新たなダイナミズムをもたらす可能性があります。


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