熱延鋼板(HRC)反ダンピング関税の最終決定:日エジプトの税率引き下げが示すEUの思惑

HRC anti dumping duty


欧州委員会(EC)は、日本とエジプトからの**熱延鋼板(HRC)**輸入に対する反ダンピング関税の最終税率を提案しました。この決定により、日本の新日本製鉄とエジプトのEzz Steelに対する税率が引き下げられます。今回の最終決定は、グローバルな鉄鋼市場に新たな影響を与える可能性があります。


最終決定された反ダンピング関税の内容

ECは、日本の新日本製鉄に対する熱延鋼板(HRC)の関税率を31.8%から30.4%に引き下げました。また、エジプトのEzz Steelに対する税率も12.8%から11.7%に減額しました。一方、東京製鐵に対する税率は6.9%で据え置かれています。この税率引き下げは、生産者側の訴えを受けて計算方法を見直した結果です。ECは、計算上の誤りや不適切な為替レートの使用を認めました。


供給量と関税の今後の影響

今回の反ダンピング関税は、10月に発効する見込みです。関税の引き下げは、日本やエジプトの製鉄メーカーにとって一定の緩和策となります。しかし、これらの国からのEU向け**熱延鋼板(HRC)**輸入量は、すでに大幅に減少しています。昨年7月には3か国合計で50万トンを超えていましたが、今年4月にはわずか7万トンにまで落ち込みました。ECのセーフガード制度の割り当て枠が即座に埋まってしまう状況が続いています。


金属フォーカス 編集部コメント

今回の最終決定は、ECが市場の現実を一部考慮した結果と見ることができます。しかし、依然として高い関税率は、日本やエジプトのEU市場における競争力を厳しく制限するでしょう。今後、これらの国は、より高付加価値な製品へのシフトや新たな市場開拓を加速させる可能性があります。グローバルな鉄鋼供給チェーンにおける再編の動きに注目すべきです。


コメントを投稿