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Copper Prices |
銅市場は、米国の関税措置とチリの大手鉱山における生産停止という二つの大きな要因に注目しています。トランプ大統領が最も取引量の多い形態の銅を関税対象から除外した一方、チリの大手鉱山での事故が供給懸念を増大させました。この二つの出来事が、銅の価格に複雑な影響を与えています。
米国関税除外後の銅市場の動向
先週、ホワイトハウスは精製された銅を新たな輸入関税の対象から除外すると発表しました。この決定は市場に大きな衝撃を与え、米国の銅価格は一時的に急落しました。しかし、現在はロンドン金属取引所(LME)の国際的なベンチマークとほぼ同水準に戻っています。今後、米国に運ばれた大量の銅がどうなるかが焦点です。ロンドン、ニューヨーク、上海の価格差が、この金属が米国に留まるか、それとも迅速に再輸出されるかを決定するでしょう。
チリ鉱山事故が世界の銅供給に与える影響
チリの国営鉱山会社コデルコ社が所有するエル・テニエンテ鉱山で、地震によるトンネル崩落事故が発生しました。この事故により、6名が亡くなり、地下での操業が停止しています。エル・テニエンテ鉱山はコデルコ社の生産量の4分の1以上を占める世界最大級の地下鉱山です。昨年の生産量は35万6千トンに達しました。この生産停止期間がどのくらい続くかは不透明であり、世界の銅供給に深刻な懸念をもたらしています。
金属フォーカス 編集部コメント
米国が精製銅を関税から除外したことで、短期的には市場の混乱が落ち着く見込みです。しかし、中長期的な市場の不安定さは継続する可能性があります。特に、コデルコ社の鉱山事故は供給逼迫懸念を強め、価格下支え要因となるでしょう。今後は、米国と中国間の貿易摩擦の動向や、世界各地での予期せぬ鉱山トラブルが、銅市場のボラティリティを高める可能性があります。投資家やメーカーは、これらの地政学・供給リスクを慎重に監視する必要があります。
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