リオ・ティント事業再編で収益構造を刷新:非中核資産の見直しと新体制

Rio Tinto Business Reorganization


リオ・ティント社は、新CEOサイモン・トロット氏の指揮の下、大規模な組織再編に着手しました。同社は事業を鉄鉱石アルミニウム・リチウムの3つの主要部門に統合します。同時に、複数の非中核資産を戦略的見直しの対象としました。今回のリオ・ティント事業再編は、ポートフォリオの最適化を図り、収益力の回復を目指す重要な動きです。


事業統合と不採算部門の見直し

新たな鉄鉱石部門は、収益の柱である西オーストラリアの事業に加え、カナダの鉄鉱石会社(IoC)、そしてギニアのシマンドゥー・プロジェクトを統合します。また、リチウム事業をアルミニウム部門と合併させ、アルミニウム・リチウム部門を新設しました。これにより、成長分野に経営資源を集中させます。一方で、南アフリカのリチャーズ・ベイ・ミネラルズや米国のホウ砂鉱山など、複数の資産は売却の可能性を含めた戦略的見直しに移管されました。このリオ・ティント事業再編は、不採算事業の整理を加速するものです。

過去2年間、見直し対象の鉱物部門はキャッシュフローが赤字でした。特にガラスや工業用洗剤に使用されるホウ砂、塗料やセラミックスの顔料である酸化チタンは、需要の低迷と価格の下落に直面しました。これを受け、同社はポートフォリオの簡素化を図ります。RBCキャピタル・マーケッツなどのアナリストは、今回の見直しが限定的であると評価しました。彼らは、より大胆な売却を予想していました。このリオ・ティント事業再編は、市場の変動に機動的に対応する同社の意思を示しています。


金属フォーカス 編集部コメント

今回の組織再編は、単なるコスト削減策ではありません。リオ・ティントは、中核事業である鉄鉱石に加え、脱炭素社会で需要が高まる銅やリチウムに明確に焦点を当てています。特にリチウム事業をアルミニウムと統合したことは、バッテリーサプライチェーンにおける両金属のシナジーを追求する戦略的な狙いと見ます。主要幹部の退任は懸念材料ですが、新体制の下で事業の選択と集中を進め、持続的な成長モデルを再構築するでしょう。

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