米国レアアース供給網に新局面:重要鉱山と加工施設が提携

Critical Metals


クリティカル・メタルズ社とUコア・レア・メタルズ社は、10年間の長期供給契約を締結しました。この契約は、クリティカル・メタルズ社のグリーンランドにおける大規模鉱山プロジェクトと、Uコア社の米国国防総省が出資する加工施設を結びつけます。これは、特定の国への依存を減らすための、米国レアアース供給網の構築において画期的な一歩となります。


戦略的パートナーシップがもたらすもの

クリティカル・メタルズ社は、世界最大級のレアアース鉱山であるグリーンランドのタンブリーズ・プロジェクトから、年間最大1万トンの重希土類濃縮物を供給します。この原料は、Uコア社がルイジアナ州アレクサンドリアに建設中の加工施設に送られます。同施設では、高性能な先端技術や防衛用途に不可欠な高純度希土類酸化物を生産します。この契約は、米国政府が目指す国内サプライチェーンの強化に直接貢献します。

Uコア社のパット・ライアンCEOは、この提携が「西側諸国におけるレアアースのエコシステムに対する中国の支配力を弱める」という共通のビジョンを共有していると述べました。一方、クリティカル・メタルズ社のトニー・セージCEOは、このオフテイク契約が同社にとって初の買い手を確保すると同時に、巨大な埋蔵量を背景に、将来的に他の米国拠点への供給にも柔軟性をもたらすと強調しました。今回の提携は、米国政府や民間資本、重要鉱物産業を結ぶグリーンメット社が仲介しました。強靭なレアアース供給網の確立に向けた強力なモデルケースと言えます。


金属フォーカス 編集部コメント

今回のオフテイク契約は、単なる商業取引に留まりません。巨大な埋蔵量を誇る鉱山プロジェクトと、国防総省が支援する国内加工施設という、供給側と需要側の戦略的な連携を象徴しています。これにより、既存のサプライチェーンに代わる、強固で透明性の高い新たなレアアース供給網が形成されるでしょう。これは、今後の重要鉱物市場における投資判断や政策立案の重要なベンチマークとなります。


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